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日立テクニカルコミュニケーションズ

【本書のおすすめポイント!】

まず、次の例を見てください。

ファイルを削除しなければなりません。
The file must be deleted.

この英語どう思いますか?
「あれっ?」と思った方。この本を読んで、私たちと共感に浸りましょう。
「日本語どおりで問題ないじゃん」と思った方。この本はあなたのためにあります!

この本は、日英翻訳あるある本です。ネイティブから見た直訳の問題点が詰まっています。日英翻訳を学ぶ方に是非読んでいただきたい学習書ですが、翻訳を依頼するクライアントの方にとっても翻訳品質を評価する目を養うという点でお勧めです。
英訳結果を見て、これで本当に大丈夫なのか不安に思ったことはありませんか。なんで和文に無いyouが英訳に追加されているのか、不思議に思ったことは?
この本を読むと、なぜネイティブが原文の日本語から構文を変えたり、日本語に無い単語を補ったりしているのかわかります。そして、英訳が一見日本語通りになっていないように見えても、「ああ、これでいいんだ」と安心できますよ。

日立TCのネイティブは、日本語を自然でわかりやすい英語に訳すべく、日夜奮闘しています。残念ながらお客様から「日本語どおりに訳されていない」と指摘されることも多々あります。でも大概の場合は、必要に迫られて構文を変えたり、主語や目的語を追加したりしているんです。この本には89個の例文があり、良い訳例と悪い訳例を掲載していますが、悪い訳例のすべてに、それを読んだネイティブの率直な感想を添えてあります。confusing(わかりにくい)とか、annoying(うっとうしい)とか、irritating(イライラする)とか…。著者のモリセイさんの嘆きが聞こえるようです。

みなさんご存知のように、日本語と英語は文法が違います。英語では日本語のように主語を省略できませんし、他動詞には目的語が必要です。そのため、日本語と同じ内容を伝えるには、どうしても構文を変える必要があります。見た目の構文を日本語に似せるのが原文に忠実な翻訳ではありません。自然な英語で、伝えたい内容が正確に読者に伝わるのが本当に原文に忠実な良い翻訳です。

この本はKindle版電子書籍として好評販売中です。ちなみに、冒頭の例の回答は、4.2節の最初の方にあります。続きはWebで!…ではなく、Kindleで!!

【執筆者インタビュー】

この本の生みの親であるケビン・モリセイさんにインタビューしました。

Q. この本を作ろうと思ったきっかけは何ですか?

モリセイ:

一言でいうと「変な英語」を無くしたいと思ったことがきっかけです。私は長年、日英翻訳に携わってきましたが、常にある問題に直面します。それは、「日本語では主語が省略されている」という問題です。
上記の例で「ファイルを削除しなければなりません。」が「The file must be deleted.」と訳されていますが、これを和訳すると「ファイルは削除されなければなりません。」となり、本来の意味とは違ってしまいます。日本語では主語が隠れていて、自然な英語にするには、主語を補って「You must delete the file.」としなければなりません。しかし、自然な英語にするために日本語にはない情報を追加することで、翻訳者は指摘を受けることがあり、その指摘が頻繁になると「指摘を受けるくらいなら、日本語にある情報だけで翻訳しよう」と考えるようになってしまいます。そのほうがお客様から指摘を受けないし、むしろお客様が満足されるからです。
また、別の問題として、例えば、1つのパラグラフが1文でできているような非常に長い日本語を翻訳する場合があります。日本語と同じように1つの長い英語にしてしまうと、非常に不自然な英語になってしまいます。そのような場合は、2〜3文に分けて翻訳します。しかし、そうすると、お客様から「文の数が日本語と違っていてチェックがし難いので、日本語と同じ1文にしてほしい」というご指摘を受けることがよくあります。お客様に英文の不自然さを説明しますが、理解してもらえないこともたびたびあります。
このようにお客様の要望を受け入れて翻訳していくと、一つ一つは文法的に誤りのない英語となりますが、文章全体を読んだときには、何を言っているのかわからない文章になってしまいます。
こうやって「変な英語」が世の中に出回ってしまうことになるのです。

Q. どんな人に読んでもらいたいですか?

モリセイ:

翻訳者やチェッカーはもちろんですが、できれば翻訳を依頼する人にも読んでもらえたら、と思っています。
日本語と英語の違いを理解してもらって、無理に日本語に合わせることをしないで、質の良い自然な英語が増えていけばよいと考えています。
ありがとうございました。

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